ホットランナーの内部構造と各部品の特徴
本稿では、ホットランナーの内部構造、および構成している各部品について詳しく解説します。
製造業における樹脂成形の分野は、近年懸念されているプラスチックごみ問題により、より環境面に配慮したシステムの導入が求められています。
そこで注目されているのがホットランナーです。
環境面だけでなく技術面における問題解決につながるシステムとして、今後もホットランナーの需要は増えるでしょう。
最近では、ものづくり補助金を活用して、低コストでホットランナーを取り入れるケースもあるようです。
より効率が高い成形システムを導入したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
ホットランナーの構造とは?
ホットランナーとは、熱可塑性樹脂を射出成形する過程で、樹脂流路のランナーやスプルーを固化せずに成形品のみ取り出す技術です。
ランナーやスプルーを出さないので、ランナーレス成形ともいいます。
ホットランナーはノズル、マニホールド、ヒーター、そしてセンサーなどの電子部品によって構成されるアセンブリです。
対照的な技術のコールドランナーと比較すると、導入のコストは高くなりますが、成形条件に優位性が認められています。
ホットランナーの特徴や導入メリットについて知りたい方は、コチラの「ホットランナーとは。導入メリットとコールドランナーとの使い分け」のページをご覧ください。
マニホールドとは?
ホットランナーに組み込まれているマニホールドとは、ランナー分岐のための樹脂流路となる部分です。
成形する過程において、マニホールド内のスプルーとランナーは固化せず、常に溶解した状態を保っています。
樹脂が溶解した状態を保つために、金属製のマニホールドには大量の熱が蓄積されます。
その結果マニホールド自体が熱膨張し、場合によってはキャビティやコアの変形を引き起こすため、適切な対処が必要です。
ノズルとは?
ノズルとは、成形品へ樹脂を供給する部分であり、さまざまな形状が存在します。
ホットランナーはノズルの構造によって、バルブゲートとオープンゲートと呼ばれるゲート方式に分けられます。
バルブゲートはバルブ機構があらかじめノズルに組み込まれており、樹脂のたれ落ちや糸引きを抑止するノズルです。
一方オープンゲートは、ゲートが常時空いている状態のノズルです。
ホットランナーを形成する部品に対して、その特性上、発生しやすい不具合が存在します。詳しくはコチラの「ホットランナーの不具合による影響と防止策」のページをご覧ください。
温度コントローラーとは?
温度コントローラーとは、ホットランナーにおけるノズルやマニホールドの温度を自動でコントロールし、成形条件を最適な状態に保つ役割を果たすシステムを指します。
適切な温度制御を行うことによって、ホットランナー内部の安定した温度維持の実現が可能です。
その結果、成形品の品質向上や材料使用量、スクラップの低減などが望めます。
メリットの多いホットランナー、ぜひ導入の検討を
いかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、ホットランナーの構造についてご理解いただけたと思います。
コスト削減やサイクルタイムの短縮が望めるホットランナーは、メリットの多い成形技術です。
もっと効率の良い成形システムを導入したいとお考えの方は、ぜひご検討ください。
ジェムス・エンヂニアリングは韓国HOTSYS社の日本総代理店として、ホットランナーに関して万全のサポートとサービスを提供いたします。
詳しくはコチラのホットランナーシステムのページをご覧ください。