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樹脂流動解析 Moldex3D


Moldex3D(モルデックススリーディー)とは

Moldex3D

樹脂流動解析は、金型内部の樹脂の流動挙動を理論計算で数値化します。経験と勘でこれまで、成形してきたプラスチック製品の成形を理論化して製品品質、成形性を数値で事前に評価することが出来ます。様々な樹脂流動解析ソフトが商用として販売されておりますが、完璧なものは未だありません。その中で信頼性のある解析結果を出すには、どうすればよいでしょうか?なるべく、信頼性が高いシステムを選択する必要があります。また、信頼性が高い解析をするには、3次元で必要に応じた分割数のメッシュを生成する必要があります。更に、いうと、信頼性が高い樹脂データを入力する必要があります。一般的にCAEの言葉で言うと、ガベッジイン、ガベッジアウトといいます。つまり、ごみを入れるとゴミが出てくる。入力するデータが品質が低いと品質が低い結果が出てくるという事です。樹脂流動解析で、信頼性の高い結果を得ようと思ったら、必要な分割数のメッシュ、信頼性の高い樹脂データ、成形条件(成形機のスペックと挙動)を入力する必要があり、それを考慮できるソルバーが必要です。Moldex3Dは、ユーザーの信頼性の高い結果が必要という声に耳を傾けて開発を20年以上進めてきました。今、現在も精度向上の為日々開発を進めております。もし、現在使用している樹脂流動解析ソフトの結果に不満がある場合は、弊社のスタッフにご相談ください。様々な、お手伝いができるはずです。ソフトウェア概要は、下記をご参照ください。

樹脂流動解析で重要なことは、部品のメッシュ生成精度と材料データ、解析時間です。Moldex3Dは、高品質なハイブリッドメッシュや豊富な材料データ、有限体積法による高演算能力を備えます。

これまでの一般的な樹脂流動解析ソフトは、部品形状の再現として中立面モデルや簡易的な3D計算のため、実際の現象を再現することが難しく解析結果に対して金型・成形の現場では信頼性が低い状態が続いておりました。Moldex3Dは、金型内の溶融樹脂の流動特性を独自に開発された計算手法により、高速・高粘度な非ニュートン流体の非等温流動挙動を解析できます。製品・ランナー・冷却管の金型全体を3次元化することができ、成形現象を正確にとらえることができます。

特徴

Moldex3Dの解析事例

1.ランナーバランスシミュレーション

金型内の溶融樹脂の流れ(ファウンテンフロー)は、金型に接触し急冷された領域と肉厚中心部の速度差による「せん断熱」が発生します。このせん断発熱は、溶融樹脂の流動性とフローパターンに大きく影響することがわかっています。この現象をとらえるためには、発熱する領域の緻密な計算が必須であり精度の高いメッシュが必要です。 Moldex3Dは、BLM(境界層メッシュ)やハイブリッドメッシュなどを短時間で自動的に精度の高いメッシュを生成します。

BLM(境界層メッシュ)

BLM(境界層メッシュ)

境界層において せん断発熱を予測します

完全3Dランナーメッシュとせん断発熱の温度解析結果
急激に樹脂温度が変化する表層部分に対し、高密度高品質なメッシュ要素を配置。 温度・圧力・相変化を高い精度で解析できます。

せん断発熱を正確に捉えた事による発見! 等距離ランナーのアンバランス流動の実際と解析結果の比較
せん断発熱により金型の中心にある製品から充填される現象が発生する。
(内回り現象を世界で初めて解析で実証)

せん断熱を正確に捉えた事による発見! 等距離ランナーのアンバランス流動の実際と解析結果の比較

2.エアベント解析

充填工程においては、溶融樹脂が金型内の空気を高速で押し出していきます。その空気の逃げ道がなければ、断熱圧縮で高温になり「焼け」という成形不良が起こります。また、未充填(ショートショット)という結果も起こりえます。 Moldex3Dは、金型内の空気を考慮して溶融樹脂の流動挙動を計算します。そのためエアベントの有無による流動の違いを確認することが可能です。また、断熱圧縮による未充填領域の温度、圧力の予測が可能です。そのため、従来解析できなかった詳細なエアベントの検証が可能となりました。

エアベントの寸法による充填挙動の比較
偏肉モデル(中央領域が薄肉)において、パーティング面にエアベント指定をしたもの。 エアベントの相違によって、充填状況が異なる。

隙間×幅=0.02×5mm ピーク圧:約36MPa

隙間×幅=0.02×5mm ピーク圧:約36MPa

隙間×幅=0.01×5mm ピーク圧:約40MPa

隙間×幅=0.01×5mm ピーク圧:約40MPa

3.粒子追跡(パーティクルトレース)

Moldex3Dは粒子追跡の機能を用いて流動先端の挙動だけでなく、内部の流動挙動を解析することができます。 そのため、今まで解析できなかった2次ウェルドの生成挙動や製品表面に起こる樹脂会合部から製品末端までのウェルドラインの予測が可能となりました。 より深く樹脂の流動挙動を調査することができます。

粒子追跡によるウエルドラインの移動予測結果

粒子追跡によるウエルドラインの移動予測結果

樹脂が製品中央で会合したのち、内部(流動層)が移動しており、結果として会合位置が変化しています。

ジェムス・エンヂニアリングでは、 Advanced を活用した解析業務を受託させていただきます。

受託解析の流れはこちらからご覧ください 受託解析Moldex3D

  • done_all 信頼性の高い解析結果により、不具合を事前予測→トライ数削減
  • done_allそり、ひけの要因分析をすることで、対策を盛り込む→製品品質向上
  • done_all熱溜まり(ホットスポット)箇所の特定と冷却回路の提案→サイクル時間短縮(コストダウン
解析種類 内容と効果  
充填解析 メルトフロントの可視化
ウェルドラインとエアートラップの発生を予測
ゲートサイズと位置を最適化
保圧解析 ゲートシール時間を予測
ヒケ、バリなどの欠陥を回避
保圧プロセスの最適化
冷却解析 冷却効率の改善
サイクル時間短縮
高温部分の予測
反り解析
反り解析 最終製品の形状予測
反り変形の原因解明
残留応力の計算
インサート解析(2色) 射出圧でのインサート部変形の予測
1stと2ndの影響による反り予測
リメルト予測
 

Moldex3Dの3つの開発コンセプトは、①精度向上、②計算時間短縮、③操作性向上です。
そり変形の予測について射出の保圧段階におけるプラスチック材料の相変化と応力変化を組み合わせることで、収縮によるそり変形の予測精度を向上させ、そり変形挙動の座屈による大変形の計算を可能としました。
又、複合材料の機械的特性の予測機能の使用により、繊維含有材料のそり変形予測精度が向上し、より正確な結果を得る事が可能となりました。
その他、モデル曲線の作成、編集機能が大幅に強化され、メッシュ生成の品質、成功率、効率も向上しています。又、ノズルウィザードの追加により、ゲート、ランナー、冷却管の高度なジオメトリ情報、ノズル内材料の圧縮特性を考慮しやすくなり、金型設計の最適化がより簡単、スピーディに行えるようになりました。
是非、新バージョンのMoldex3Dもご活用ください。詳細は、こちらから。

特徴:成形機のノズル内部の挙動を考慮、温度分布、計算効率の改善
Moldex3D 2020は進化し続けています。シミュレーションと実際の差を埋め信頼性のある結果を得る為成形機の特性に加えノズル内部の挙動を計算に考慮できるようになりました。
インダストリー4.0を達成させるスマートな製造を促進するために、是非Moldex2020をご活用ください。

2020




機能追加(2019年)

特徴:ユーザーインターフェイスの統合と成形機の応答性をモデル化して計算に考慮
 よりスマートにリアルなシミュレーションが登場!

Moldex3D R17は、これまでのユーザーインターフェイス更新し統合されたプラットフォームになりました。
成形機の応答性等の特性をモデル化して計算に組み込む事で更に高度な解析を提供できるようになり

フラットファイバー(扁平形状繊維)、ウレタン発泡解析と更なる機能強化を果たしております。


機能追加(2018年)

特徴:粘弾性流体解析
Moldex3D R16を通してシミュレーションにおける効率や信頼性をこれまでにないレベルまで引き上げることで、シミュレーション解析プロセス全体の最適化を図り、製品の革新を加速させます。Moldex3D R16は、プラスチック製品の開発、製造において業界が抱える課題の解決にあたり、信頼性の高い数値シミュレーション解析結果を得るためのより強力なシミュレーション能力と目覚ましい性能改善を提供します。

射出発泡成形について
発泡材(物理発泡材、化学発泡剤)を入れて成形する射出発泡成形は様々な利点があります。主には、軽量化、寸法安定化、変形削減の効果が見られます。樹脂充填時の発泡およびセルの成長をシミュレーションします。微細発泡数、密度分布、セルサイズ分布、体積収縮等を解析します。更に、弊社では、シミュレーションだけでなく、設計、試作、専用金型作成もサービス提供しております。詳しくは下記特設ページをご覧ください。
Mucell®解析

ホットランナーや金型内部の温度分布を可視化します。ホットランナーシステムとサブコンポーネント(ヒーターコイル、マニフォールドなど)を検証して、潜在的な欠陥(不均一な樹脂温度、バランスの悪い流動など)を予測できます。遅延射出、PID制御等の複雑な制御を再現することにより、ホットランナー特有の不可思議現象を解くことが可能です。

バルブ動作

バルブ動作

温度解析

温度解析

複雑な3次元冷却回路内での水の流れをシミュレーションして、冷却効果の検証と冷却管設計を最適化します。 総合的な成形サイクル時間の短縮を実現します。

3D冷却解析
3D冷却解析

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