特殊用途向け鋼材・ステンレス快削鋼・工作機械・金属・金型のジェムス・エンヂニアリング

HOME > 特集 > コラム > 簡易金型と量産金型の特徴と違い、メリット・デメリットまで解説

簡易金型と量産金型の特徴と違い、メリット・デメリットまで解説

簡易金型と量産金型の特徴と違い、メリット・デメリットまで解説

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
簡易金型と量産金型の特徴と違い、メリット・デメリットまで解説
目次

樹脂生産やプレス加工など、幅広い分野で重要な役割を担っている金型は、製品生産をする現場において必要不可欠存在です。
そんな金型には、小ロット生産に適したものや大量生産に適したものなど、種類や方法がさまざまあります。
各金型には、それぞれの特徴やメリット・デメリットがあるため、作る製品や量、期間によって使い分けることが大切です。
そこで今回は、金型ついて詳しく知りたい方に向けて、簡易金型と量産金型の特徴や違い、メリット・デメリットなどを紹介します。
この記事を読むことで、製品生産をするにあたって、適切な金型のタイプを選ぶ手助けとなれば幸いです。

簡易金型とは

金型とは通常、樹脂成形やプレス加工、鍛造、鋳造などで製品を大量生産する際に使う道具です。
その中でも、簡易金型は、小ロット生産や試作に適したプレス用の金型のことをいいます。
一口に簡易金型といっても、さまざまな種類があります。
そこでまずは、いくつかの種類とその特徴を紹介していきましょう。

アルミ合金製簡易金型

アルミ合金がベースのアルミ合金製簡易金型は、制作期間が短く、軽くて取り扱いが便利なことが特徴です。
通常のものと同様、梳り出して作るので、精度も十分高いものといえます。 しかし、鉄製のものと比べると、傷付きやすく寿命が短くなっています。

電鋳金型

電鋳金型は、電気化学反応を利用して作られた金型で、転写性に非常に優れており製品のサイズに左右されません。
条件を満たしている浴槽があれば、大物の金型の製作も可能であることが特徴です。

樹脂製金型

樹脂製金型とは、プラスチックで作った金型代用品のことです。
簡易型の中でも、最も安価で作れることが特徴ですが、鉄の金型と比べて寸法精度は落ちてしまいます。 また、放熱しづらく射出成形がしづらい金型といわれています。

ZAS型

ZAS型とは、亜鉛やスズなどの低融点合金を用いた金型のことです。
ZAS材は切削性・鋳造性が良く、軟鋼に近い物理特性も持ち合わせています。
また、樹脂製金型ほどではありませんが、ZAS型も比較的安価で作ることができます。
樹脂製と同じく、金属とはいえ鉄と較べると放熱が悪いため、射出成形がしづらい金型です。

カセット型

現在、簡易金型の中でも1番普及しているのがカセット型です。
金型用の製品に触れる1部分をカセット型で制作し、ほかの部分は共通化することで、金型コストを下げるという技術が施されています。
小さな製品かつ、スクリューなどの機構に対してコストがかかってしまう場合に、非常に有効です。

共取り型(セット取り型)

共取り型とは、1つの金型にいくつかの部品を彫り込んで、成形1回で何種類もの製品を同時に作るという方法です。
プラモデルのような、いくつかの部品で構成される製品の製作で、よく使われています。
いくつかの部品が一度に作れるので、部品単価が下がり、金型費のコストも軽減できるのが特徴です。
また、金属で作る金型なので、精度や耐久性に優れています。

積層簡易金型

レーザー加工などで切り出した金属板を積み重ねて、板の厚みを利用し溶接やボルト留めで固定した金型を、積層簡易金型といいます。
構造的に、深い絞り形状には不向きですが、修正対応を容易に行うことが出来ます。
主に、絞り加工や曲げ加工に用いられます。

簡易金型のメリットとデメリット

簡易金型にはさまざまな種類があると前述しましたが、ここでは簡易金型全般に当てはまる、メリットとデメリットをみていきましょう。

メリット

最も大きなメリットといえるのが、低コストで製品を作れることです。
金型を作るための費用は、納期や形などの条件、大きさなどによって異なりますが、ほとんどの場合、簡易金型だと、そうでない金型よりも2~3割ほど安く作ることができます。
また、簡易金型はリードタイムが短いため、急ぎで金型が必要な場合にも融通が利きます。
簡易金型にはたくさんの種類があるので、製品の用途に合わせて作成の方法や使用する材質を決めることができるのも、メリットといえるでしょう。

デメリット

まず、ショット数に限度があります。
耐久性が低い金型なので、大量生産を目的とする商品の使用には向いていません。
また、ほとんどの場合が大型の成形部品の対応が難しいようです。
大型製品の開発や大量生産に使用する金型が必要なのであれば、簡易金型は適さないといえるでしょう。

量産金型とは

量産金型とは、耐久性の高い鋼材を使って作られている金型のことです。
その名の通り、製品を大量生産する際に使われています。

量産金型のメリットとデメリット

ここでは、量産金型のメリットとデメリットを紹介します。

メリット

前述した通り、耐久性の高い鋼材を使って作られているため、大量生産品の成型に向いています。
また、鋼材は摩耗しにくく、量産金型を作る前段階で、何度も試作品を作りテストを行うため、大量生産をしても精度の高い製品作ることができることが可能です。
さらに、大量生産する際に使用することで、成形に掛かる時間が短く、1個あたりの製品コストが非常に安くなります。
精度の高い製品を早く安く生産できるため、価格競争にも品質競争にも強い金型といえるでしょう。

デメリット

量産金型に用いる鋼材は、耐久性が高いがゆえに、金型を作成する際や金型修正する際にどうしてもコストと時間がかかってしまいます。
そのため、大量生産と長期の生産が決まった状態には向いていますが、小ロット生産や、すぐに金型が必要な場合には向いていない金型です。
コスト割れしてしまわなよう、作る量や期間を事前に確認した方がよいでしょう。

金型の重要性をあらためて確認しておきましょう

このページでは簡易金型と量産金型の違い・双方のメリットやデメリットについて紹介しました。
しかし前提となる金型の特徴や重要性について抑えておくことで金型製造がものづくりに及ぼす影響力をより深く理解することが出来ると思います。
興味のある方は、コチラの「製造業において欠かせない金型の特徴と重要性」の記事をご覧ください。

ジェムス・エンヂニアリングは金型の設計支援を行います

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで簡易金型と量産金型の特徴と違いがご理解いただけたと思います。
ジェムス・エンヂニアリングは、豊富な鋼材や加工技術を活かし、貴社に適した金型の設計支援を行います。

ジェムス・エンヂニアリングでは金型ソリューションを通じてお客様のものづくり改革を支援いたします。
もし金型に関連するお悩みがございましたら、ジェムス・エンヂニアリングの「金型ソリューション」のページを参考にしてみてください。
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Contact

お問い合わせ・ご相談

電話・FAXでのお問い合わせ

03-3862-3301

03-3863-2123