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発泡成形の用途とは?身近な製品に欠かせない技術の種類と製品

発泡成形の用途とは?身近な製品に欠かせない技術の種類と製品

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発泡成形の用途とは?身近な製品に欠かせない技術の種類と製品
目次

身の回りに多く存在するプラスチック製品。
食品を入れる容器や、文房具などの小さなものから家具や自動車といった大きなものまで、プラスチックは欠かせないものとなっています。
このプラスチックは、さまざまな加工を経て形となり、私たちのもとに製品として届いています。
いったいどのように加工され、生活に役立つ形となっているのでしょうか。
今回は、プラスチック成形方法のひとつである発泡成形に着目します。
発泡成形の用途や、発泡成形を使った製品についてもまとめています。
各種メーカーや加工業者の方は、プラスチック成形方法を検討する際に参考にしてください。
 

発泡成形の用途

発泡成形は、発泡性のプラスチックを成形することで、細かい孔が多数空いている成形品をつくりだす成形方法です。
プラスチックは、融かす・流す・固めるという3つの工程から成形されます。
発泡成形の場合は、これらの工程にさらに気泡の発生・気泡の成長・気泡の成長の停止という工程が加わります。
ここでは、発泡成形の種類と用途についてまとめました。
 

固相発泡

発泡成形は固相発泡と液相発泡という2つに大別されます。
固相発泡は、融かすからはじまるプラスチックの3つの成形工程を先に行ったのち、発泡工程に進む成形方法です。
固相発泡には種類が4つあり、それぞれビーズ発泡、バッチ発泡、プレス発泡、常圧二次発泡と呼ばれます。
 

ビーズ発泡

自由に形状を設計できることと、高倍率の品をつくりだせる点が特長の方法です。
身近なものでは発泡スチロールの製造に使われています。
また、ポリエチレンを除くプラスチックにも多く使われています。

バッチ発泡

実験レベルでも簡単に行うことのできる方法です。
学術研究で使われることが多いですが、特殊な用途で実生産に使われることもあります。

プレス発泡

靴底の成形などでよく使われる方法です。
原料のプラスチックと化学発泡剤、架橋剤、架橋助剤をミキシングロールなどの混練手法を使って低温で混ぜ合わせてシートを作成し、シートを加熱プレスの金型に入れて架橋を進めながら発泡を行います。

常圧二次発泡

高倍率で柔軟性、復元性、耐熱性に優れたシートがつくりだせる方法です。
シートは自動車内装表皮材のクッション層や、自動車の天井材などに使われています。
 

液相発泡

発泡成形の種類には、液相発泡と呼ばれるものもあります。
液相発泡は、プラスチックの3つの成形工程と同時に、気泡の発生から成長の停止までが起こる成形方法です。
液相発泡は3つに分けられ、それぞれ、射出発泡、押出発泡、発泡ブローと呼ばれます。
 

射出発泡

射出成形の過程で、発泡性を持つ溶融プラスチックを金型内に射出充填し、気泡構造を持った成形体をつくりだす方法です。
ストラクチュアルフォームは、古くから射出発泡が使われている構造部材用発泡成形品です。
 

押出発泡

押出発泡は、その名の通り発泡性プラスチックを押出機で押し出す方法です。
対応できる例としては、食品トレーの成形で使われるポリスチレンシート(PSP)や住宅の断熱材として使われる押出法ポリスチレンシート(XPS)などが挙げられます。
 

発泡ブロー

発泡ブローには2つの種類があります。
1つは押出ブロー成形と呼ばれ、断熱性があるため自動車空調用のダクトに使われることがあります。
もう1つは射出延伸ブローと呼ばれ、発泡容器に使われたりします。
 

発泡成形を用いる製品

発泡成形でつくられた成形品は多孔質成形品と呼ばれ、強くて軽いのが特徴です。
実際に発泡成形を用いられた製品には、どのようなものがあるでしょうか。
 

自動車部品

自動車の部品には大変多くのプラスチックが使われています。
近年は、自動車軽量化による燃費の向上を目指し、より軽いプラスチックが求められています。
また、軽量化以外にも断熱や吸音、ソフトタッチなどを目的としたものもあります。

  自動車部品(内装・外装)
・インスツルメントパネル
・ドアトリム
・サンバイザー
・センタークラスター周辺部品
・サンルーフフレーム
・ウェザーストリップ
・サイドシルプロテクター
・サイドガーニッシュ

  自動車部品(エンジンルーム)
・HVAC
・エンジンカバー
・ファンシュラウド

  自動車部品(機能部品)
・衝撃吸収パッド
・エアダクト
・ドアキャリア
 

食品容器・包材

断熱性や密閉性、光遮断性を求められる食品容器や包材でも上記の技術が活かされています。
また、容器や包材の軽量化という点でも大変有効です。
  発泡成形が使われている食品容器・包材
・カップ、トレー
・キャップシール
・飲料ボトル

輸送・梱包

物流分野では、大変多くの発泡製品が使われています。
発泡成形を使うことで、軽量で変形しづらい容器がつくれるだけではありません。
運搬する製品の破損を防ぐ、衝撃吸収効果に優れた製品をつくることもできます。
  発泡成形が使われている梱包材
・緩衝材
・容器(発泡スチロール箱など)

電気・電子・電線

発泡には光線反射特性や低誘電性があります。
これらの性質を活かし、電気・電子・電線分野でも発泡成形が使われる場面も多く見られます。

発泡成形が使われている電気・電子・電線
・反射フィルム
・電線被覆
 

建築材料

住宅などの省エネ性能を高めるためにも、有効です。

  発泡成形が使われている建築材料
・断熱材(屋根裏、壁の内部、床下)
・畳
 

履物

スポーツシューズの軽量化を目的とし、靴の底部分はEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)の架橋プレス発泡によって製造されてきた歴史があります。
近年はマラソンブームにより、ランニングシューズに求められる機能は軽さだけでなく複合化してきているため、発泡成形による新たなアプローチが必要とされています。
 

発泡成形で金型ソリューション

今回は、発泡成形の用途について紹介してきました。
自社にとって発泡成形が必要か判断する材料となりましたでしょうか?
ジェムズ・エンヂニアリングでも発泡成形を扱っていますので、ぜひご一考ください。
詳しくは、コチラのジェムスエンヂニアリングの射出発泡成形特集のページをご覧ください。
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