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アルミニウム合金とは?主な種類と特性、用途を紹介

アルミニウム合金とは?主な種類と特性、用途を紹介

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アルミニウム合金とは?主な種類と特性、用途を紹介
目次

アルミ缶やアルミホイルなどは、私たちの生活のなかでよく目にする製品のひとつです。
そんな身近な製品を製造するにあたって重要な材料のひとつとして、アルミニウム合金が挙げられます。
生活に密着しているアルミニウム合金を、自社で取り入れることで新たな製品の開発につながったり、売り上げアップが目指せたりするかもしれません。
そこで今回は、自社にアルミニウム合金を取り入れようと検討している方、もしくはアルミニウム合金を使った新たな商品の開発を検討している方に向けて、よりよいものを作るために、特徴や代表的な種類などをご紹介します。
また、アルミニウム合金のメリットとデメリット、用途なども一緒にお届けするので、今後の製品製造に役立ててみてください。

アルミニウム合金とは

アルミニウム合金とは、アルミニウムにほかの金属をプラスして作った素材のことです。
また、アルミニウムに少しだけ非金属の材料を足した、金属の性質を維持している素材もアルミニウム合金に分類されます。
アルミニウムにわざわざほかの材料を混ぜてアルミニウム合金にする理由は、製造する製品や使用するシーンに適した素材にバージョンアップさせるためです。
例えば、アルミニウムは軽量で熱が伝わりやすい材料ですが、傷つきやすく鉄などに比べると強度は劣ります。
その強度を補うため、銅やマンガンといったさまざまな種類の金属をプラスするのです。

アルミニウム合金の特徴

アルミニウム合金の特徴として代表的なのがその軽さです。
鉄と比較してみると、その重さは鉄の3分の1程度と、とても軽いことがわかります。
軽いという特徴だけでなく、柔らかい質感を持っているため加工しやすく、装飾性にも長けている素材です。
また、大気中において表面に頑丈で安定的な酸化被膜を作る性質もあり、耐食性に長けています。
さらに、リサイクル性が高い点や、電磁波や熱の反射もいいため、低温環境で使用した場合に起こりやすい脆性破壊を起しにくいことも特徴です。

アルミニウム合金の種類

アルミニウム合金には、製品名に4桁の数字が含まれた国際アルミニウム合金名がつけられているケースがほとんどです。
No.1000ごとに混ざっている物質が違うので、番号をチェックすればどんな特性を持ったアルミニウム合金なのかを判別できます。
そこでここでは、No.1000ごとに異なる代表的なアルミニウム合金の種類をご紹介しましょう。
どのような製品を作るかを明確にして、より適した種類を選んでみてください。

No.1000~

No.1000~と記載のあるアルミニウム合金は、成分の99%がアルミニウムでできている種類です。
ほとんどがアルミニウムなため、柔らかく加工しやすいといった特徴を持ち合わせています。
さらに、熱伝導率や電気を通しやすいという点にも優れている種類です。
一方で、数あるアルミニウム合金のなかでも強度が低めの材料です。
No.1000~のアルミニウム合金は、熱処理を実施することなく用いることができます。

No.2000~

No.2000~は、アルミニウムに銅をプラスした種類です。
アルミニウムに銅を加えることで、強度がアップします。
一方で、銅を多く混ぜれば混ぜるほど耐食性は低くなるという性質があります。
また、機械的な方法を用いたり抵抗スポット溶接が必要だったりと、手の込んだ溶接が必要な点も特徴的なポイントなので、熱処理を施してから使用するのが一般的です。

No.3000~

アルミニウムにマンガンをプラスしたものには、No.3000~の数字が記載してあります。
No.1000~の特徴である加工のしやすさを残しつつ、強度を少しだけアップさせることが可能です。
容器や建材など、幅広いシーンで使われています。
このマンガンをプラスしたアルミニウム合金は、非熱処理型の合金です。

No.4000~

No.4000~は、アルミニウムにケイ素シリコンを加えた種類です。
耐熱性に優れており、熱によって膨張しにくいという特徴があります。
また、ほかのアルミニウム合金に比べて融点が低く、溶接溶加材としても適しています。
こちらも、No.3000~同様に熱を加えずに使用する非熱処理型の種類です。

No.5000~

No.5000~は、マグネシウムをアルミニウムにプラスして仕上げた種類です。
マグネシウムをプラスすることによって、強度と耐食性のアップにつながります。
加えるマグネシウムの量が多ければ多いほど強度があがり、少なければ少ないほど強度も低くなります。
そのため、混ぜるマグネシウムの量の違いによってさまざまな種類のアルミニウム合金を作ることができ、基本的に非熱処理で使用できます。
No.5000~は、種類と用途が多い、アルミニウム合金のなかでもメジャーな種類です。

No.6000~

No.6000~のアルミニウム合金は、マグネシウムとシリコンがプラスされています。
溶接に用いる際には熱により強度が低下しがちなので、ボルトやナットでの機械的な接合が必要ですが、強度と耐食性に長けているため、構造建材としてよく活用される材料です。
また、経年損傷に強く、押し出し性に優れている特徴もあります。
No.6000~のアルミニウム合金は、熱処理型の種類です。

No.7000~

No.7000~は、亜鉛とマグネシウムを混ぜて作っています。
熱処理を施すアルミニウム合金のなかで最も強度が高いことでも有名です。
熱処理をしっかり行わなければ経年劣化を引き起こす可能性が高くなりますが、しっかり熱を加えて加工することで溶接を行うこともできる材料です。

No.8000~

No.8000~は、主に低密度材や外からの変形を防止するために作られた種類です。
代表的な製品としては、リチウムや鉄などをプラスして作ったものなどがあります。

アルミニウム合金のメリットとデメリット

続いては、アルミニウム合金のメリットとデメリットをチェックしていきます。
いい点もあれば、悪い点もあることをしっかりと把握して、効率的に製品製造に役立ててください。

メリット

アルミニウム合金のメリットは、軽量性と加工のしやすさです。
比較的強度に優れていながら柔らかい性質をも持ち合わせており、さまざまな製品に活用されています。
アルミニウムに何を混ぜ合わせるかで特性が変わるアルミニウム合金は、作りたい製品に適した種類を選択できる点もメリットといえるでしょう。
また、金属と比べて融点が低いため、鋳造においての大量生産に適しています。
さらに、アルミニウム合金は非磁性なので、磁気の影響を受けやすい部分にも活用することが可能です。
ほかにも、鉄鋼材の弱点である海水や真水などに対しても耐久性がある点や、低温環境の下で使用しても破損しにくい点などのメリットがあります。

デメリット

アルミニウム合金はある程度強度が高いとはいえ、徹底的に強度にこだわった鉄鋼材に比べると、その強さは劣ります。
また、柔らかいがゆえに変形しやすいのもデメリットのひとつです。
融点が低いため大量生産には向いている一方で、耐熱性が必要な箇所の部品などには適していません。
さらに、鉄や銅といったほかの金属に触れたり、銅や貴金属、ステンレスなどと水が一緒になるような場所で使用したりすると腐食しやすくなる弱点もあります。
コスト面でも、ほかの鉄鋼材などに比べて、アルミニウム合金のほうが値段が高い傾向がある点もデメリットです。

アルミニウム合金の用途

さまざまな種類があるアルミニウム合金は、私たちの生活においてさまざまな場所に使われています。
例えば、アルミニウムが多く含まれているNo.1000~のアルミニウム合金は、電気器具などに多く用いられており、私たちの生活を支えています。
No.2000~は、No.1000~よりも強度が増すため、形成用の金型やネジといった工業に役立つ製品に用いられることがほとんどです。
No.3000~は建築部品やアルミ缶に、No.4000~はピストンやシリンダーなどとして重宝されています。
さらに、No.5000~は調理器具に、No.6000~は車両や船舶、No.7000~は金属バッドなどのスポーツ用品や口腔用品などに使用されることが多いようです。
これらのどれにも属さないNo.8000~のアルミニウム合金は、食品包装や医療用包装などの衛生面が重視されるシーンでよく活用されています。

アルミニウム合金への知識を深めましょう

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことでアルミニウム合金とはどんなものかがご理解いただけたと思います。
アルミニウム合金の種類をはじめ、メリットデメリットなどをしっかり把握して、どのような製品を作るか検討してみてください。

ジェムス・エンヂニアリングでは40年以上の鉄鋼貿易の経験を活かして、汎用鋼から超合金、非鉄まで幅広い分野で時代のニーズに合わせてグローバルネットワークを構築してまいりました。
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